あの時は、
母が憎くて
嫌いで、
母が具合悪そうにしてても、全て嘘だと思い込んでいた。

あたしのそんな態度も
母を苦しめていたんだろう。

「ゆみ!ゆみ!」

あたしの背後で母の怒鳴る声がする

「うるさいな!くそババア!」

あたしの声もする

あたしは立ち上がると声のする廊下に出た

廊下ではマゴノテを持った母が
子供のあたしを
殴っていた。

「痛い!やめてよ!!」

顔を殴られたのか鼻血をだして逃げる子供のあたし。

「あんたがいるから
パパがよそに女つくるんだよ」

「パパは
そんな事しない!
パパの悪口言わないで」

母に馬乗りになられて
顔をビンタされてるあたし。

母はあたしが動かなくなるまで殴ると部屋の中に消えていった。

「パパ…」

子供のあたしは顔を手で覆ったまま父を呼び続け泣いている

こんな事は、ほぼ毎日。
父と連絡がとれない日には母は必ずあたしを呼んで父の悪口を言う、
あたしがそれに反抗すれば殴る。
これの繰り返し

「ゆみちゃん…」

母の声。
奥の部屋から聞こえる
この声は具合が悪いときの呼び方だ…

子供のあたしは起き上がらない。
さっきまでマゴノテを振り回してた母が、具合が悪いと言っても、信じれなかったんだ。

ママが憎い

ママが憎い

ママが憎い

毎日、毎日それだけ。