7歳のあたしはいつの間にか消えて、テレビがついたままの部屋にあたしは座っていた。

「ゆみちゃん…ゆみちゃん」

母の声がして、部屋に入って来る音がした。

母は茶の間の座椅子に座ると、
テーブルに顔をふせた

「なぁに?」

他の部屋からあたしの声がする。

「ちょっと来てよ」

母は具合悪そうに話していて。

それでも昔のあたしは部屋に来ないでいる

あたしは立ち上がると
昔のあたしの声がする部屋に向かった。

昔のあたしは一階の廊下を進んだ横の部屋にいた

9歳の時のあたし

ねっころがりながら漫画を読んでる。

『ママのとこに行ってあげて』

あたしは9歳のあたしにそお言った

「ゆみちゃん」

母の声はまだ苦しそうにあたしを呼んでる

「うるさいなぁ」

9歳のあたしが起き上がりため息をつく。
そして、面倒臭そうに立ち上がると茶の間に向かった。

あたしもその後に着いて行くと、茶の間を覗いた

「タクシー呼んで…
気持ち悪いの…」

みるみる顔色が悪くなる 母…

「自分で
呼べばいいじゃん」

子供のあたしは母を見ようともせず茶の間から出て行ってしまった。

『ママ…ごめんなさい』

あたしは悲しくて、ママの横に座った

『ママ…』

背中を摩ると母は消えて
部屋にまた一人ぼっちになっていた