珈琲の匂いが部屋いっぱいに広がる。 オープンキッチンでコーヒーを淹れる彼はとても絵になる。 折原 拓斗(おりはら たくと) 彼と付き合い始めて約一年が経った。 初めて彼に会ったときは年下のくせに意地悪で生意気で… こんな奴の思い通りにはならないと誓っていたのに… 気づけば彼に囚われ、彼女という位置にいる。 「白羽(しろは)、砂糖入れる?」 「うん」 私は彼の淹れるコーヒーが好きだ。 気づけば彼のコーヒーの虜になっていた。