「ったく。しつこい野郎が。」







悪いな。 と言って身体が離されて

初めて彼の顔をみた。







「……え…」







彼は、涼太本人のようだった。







「りょう…た…」



「は?誰それ。」







違う…

わかってる。







「………」



「まぁいいや。とにかく、巻き込んで悪かったな。」



「………」







黙って首を小さく横に振った。







「まだあいつら近くにいると思うから、送るよ。」



「大丈夫です。」



「お前の顔も見られてんだよ。何かあったらどうすんだ?」



「え…」



「送るよ。」



「……」







結局、家まで送ってくれた。







「ありがとうございます」



「別に、巻き込んじゃったし。」



「………」



「……じゃ。」



「あの…名前、は…」



「俺?…何。学校にでも連絡すんの?」



「ううん…」



「…ま。別にいいけど。…山村翔太。」







翔太…。

涼太とにてる。偶然、かな…?







「あんたは。」



「え…。本城、結愛…」



「そ。じゃ。」