くだらない喧嘩を止めたのは…。
「お前…作者…じゃなくて、天知じゃねぇか。」
「いや明らか今作者って言ったッスよね、てゆうか何で作者割り込んでるンスか」
天知…。
こいつは、絵を書くのが好きで、小説を書くのも好きだが文才が無い。
…見た目は男だが一人称は『アタシ』。
つまりオカマだ。
そして絵を書くのが好きなくせに書くのをめんどくさがったり、美術は苦手だったりと色々矛盾した、よく知れないヤツ。
最近は占いにハマッていて、あだ名…というよりも、異名…。
『作者』と呼ばれている。
「いやココにきて新キャラしかも作者のキャラ固めないでくださいよ。」
山口のツッコミが炸裂する中、天知は平然としていた。
「いい加減、やめてくれない…??こんなに勝手に作品の名前出しといて、誰が怒られると思ってンのよ!!!!!」
「本音バリバリキタッスーー!!!」
珍しく刻み込まれるようなシワが、眉間にできていた。
女らしい言葉遣いだろうと、女らしくふるまっていようと、男。
力があるのは、当然。
ここで悪名高き『作者』が、俺の傘下に居たがついに暴れだすか…。
そう思って身構えていると。
す、とほたるが俺の前に立った。
「天知…お前もう、絵の道は諦めたと思っていたぜ…!!」
ほたるの目は、どこか嬉しそうな感じだった。
「あぁ…アタシは確かに諦めたわ…絵では食っていけないからね!!」
「以外と現実的ッスね!!」
「…で、今は??占いの道でも目指してんのか??」
ほたるの口元は、怪しげにあがっていた。
ワクワクを抑える子供のように、歯を見せて笑っていた。
天知は、フン、と鼻をならして笑った後、馬鹿にしているかのように眉を寄せながら緩く笑う。
「まさか。…今は小説家の道を目指してるわ」
「いやどっちにしろ不安定ッスけどね」
てゆうか山口出番ありすぎなんじゃねぇの、オイ。
俺より喋ってンじゃねぇの、オイ。
「…まぁアタシは今回は引き下がるわ」
その言葉に、俺は内心ホッとする。
こんなオカマに今暴れられても、時間の無駄にしかならない。
元の席に戻ろうとした天知が、くるりとこちらをまた向く。
「言い残してたけど」
クス、と気持ち悪く微笑む天知。
「私…ジャンプ派だから」
「…とか言って怒られるのは作者ッスけどね」



