恋花火

先輩の家までの道のりがすっごく短く感じる。
考え事をしてたらあっという間に着いちゃうんだもん。
前までは会いたくて会いたくて。
どれほど長く感じたか。
今、あたしの心に
『会いたい』
という気持ちはないんだ。

どんなにゆっくり歩いても、

もう着いちゃった。
また暴力ふるうんでしょ?
あたしの身体、あざだらけだよ。


『先輩…』

あたしは恐怖心がありながらもドアをあける。
先輩は、部屋のソファに座っている様子だ。

どうしたのかな。
今日、落ち着いてる。

『先輩…?』

あたしの声に気付いた先輩。
こっちに向かってくる。
やだっ
怖い
痛いのはいやっっ