それは、俺の下駄箱に入っていた、赤い包装紙のチョコレートだった

俺は、今すぐ、カバンの中を確認したかったが、ぐっとこらえる

ここで俺が探せば、あのチョコが、自分のものだとばれてしまう

こう考え、俺は、カバンを探したい衝動をぐっとこらえた


「このチョコ、学校にチョコを持ってくるなとは言わない、なぜなら、チョコは、青春の証だからだ!しかし、これは、学校のとある場所に落ちていた、この意味が分かるか?竹村ぁ!」

「わわっ。分かりません!」


竹村と呼ばれた饒波、クラスでも、小柄な男で、慌てた様子で、そう答えた


「わかんねーだと?だからオメーは、モテねーんだよ、はい!次!内田!」


指された内田というのは、女子の平均のような女だ


「女子の作ったチョコレートを誰かが、捨てたということです」


すっと立ち上がって、そう答える


「その通り!さすが女子、よくわかってんじゃねーか」


満足そうな顔をして、内田を座らせる