即、思考した俺は、意を決してスクバのチャックを開け、スタンバイする

チョコのある場所はわかっている、開けた瞬間、それを手に取り即座にバックに入れる

それは、人に見られたら終わりだった

すべて一瞬のうちに終わらせなければならない

あたりに目を向け、人がいない(来ない)ことを確認する


ゆっくり、深呼吸をする



(よし)


バンッ!

ザッ!

バンッ!



成功した、いま、チョコは俺のバックの中に確実に入っている

ちらっと中を見たが、しっかりと、赤い包装紙を確認することができた

安心して、靴を履き始める


「よぉ!ノブ、おはよ」


突然、背後から声がかかる

友人のテツオ、俺はテツと呼んでいる


「あぁ、テツか、おはよ」


なんとか、背中の冷や汗を悟られないように答える