せっかく作ったんだし、食べて貰わなきゃケーキだって可哀想。


なんて思っていたけど、本音はただこの子の手作りお菓子が食べたいだけのオレは、ニッコリ微笑む。


「っ///じ、じゃあコレ差し上げますけど……ホントに中身グチャグチャだから…気を悪くなさったらごめんなさい……//////」


「ありがとう。いただきます」


深々と頭を下げながら紙袋ごとケーキを渡してくる女の子から、ケーキを受け取る。


下を向いている女の子の顔が微かに赤く染まっている事に、もちろんオレは気がつかない。


これが、オレ達の出会いだった。