何よりも甘く切なく

急いで箱を開けてみると、案の定6つに分けたケーキは無惨なお姿に。


キレイにデコレーションした生クリームはボロボロ、イチゴも場所を移動して1つに2個乗ったりしていた。


「…………終わった」


何も無い所で転んで膝ケガした上に、大好きなケーキもグチャグチャにしてしまった。


さっきまでの幸せの風船が、ウソみたいにしぼんでいく。


なんで私って、こんなにドジなんだろう………


段々ズキズキ痛み出す膝を抱えて、地面に蹲っていた。


「痛いよ……」


「―――大丈夫?」


…えっ……?


今、誰かの声が………