何よりも甘く切なく

いきなり石ころも何も無い場所で、私は思いっきり転倒してしまった。


「イッタァァ~~~~……最悪…―――!!」


慌てて上半身を起こしたが、右膝に痛みを覚えて顔をしかめる。


体育座りの状態で膝を見てみると、タラァ……っと血が出ていた。


ギャアアアア!私血苦手なのに、モロ見ちゃったよーーーー!!


「ど、どうしよう………」


半泣きになりながらも、さっさと立ち上がろうと右手を地面に―――――…


「ああーーーーっ!!ケーキが!!」


右手を地面につけて立ち上がろうとした私は、今更ケーキの存在を思い出す。