何よりも甘く切なく

同じ2年生の森内からパスを貰って、Aチームのゴール目掛けて突っ走る。


「アツッ……」


オレの額からは、ツーーッと汗が伝っていた。


9月も後半になったけど、こうも走ってたら体温が上がって仕方ない。


それでも敵チームのメンバーを数人かわして、ゴール前にたどり着いた。


Aチームのゴールキーパーは、体がデカくてまるで柔道部員みたいにいかつい男子。


鋭い眼光が、オレを威圧した。


「大丈夫……大丈夫」


それでも気を落ち着かせ、冷静に狙えるポイントを探した。


右側の隅っこ――――…あそこしかねぇ!!