何よりも甘く切なく

さっきまでの威勢はどこへやら、茶髪・赤髪・金髪のカラフルな頭3人は、物凄い勢いで逃げて行った。


残ったのは私・泉未・須藤君。


「い、泉未大丈夫!?ケガしてない!?」


私が慌ててさっき突き飛ばされた泉未に問いかけると、泉未は無言で頷いた。


「大丈夫…です」


「あーあ。みっともないねぇ、沢賀君」


俯いて顔がよく見えない泉未に向かって、須藤君が言い放った。


「君よくそんなんで、“彼氏”だなんて言えるよね。全然胡々愛ちゃんの事、守れてないクセに」


「ちょっと須藤君、泉未になんて事言うのよっ!!」