何よりも甘く切なく

だけど須藤君は素早く金髪男子のパンチをかわし、背中に回ってから蹴りを一発。


「イッテ!!」


「……のヤロー!」


ハデに転んだ金髪男子に、残りの赤髪男子と茶髪男子が須藤君を睨みつけた。


須藤君も負けじと睨み返して、4人の周りには緊迫し切った空気が流れる。


「お前等……これ以上痛い目見たく無かったら、とっとと失せろ。次は本気出すぞ」


今までよりずっと低い声で須藤君が宣告すると、ナンパ男トリオは一斉に身震いし――――…


「ヒィーーー!ごめんなさい!」


「すみませんでしたぁっ」


「逃げるぞ!!」