何よりも甘く切なく

パニックでどうしたらいいのか分からず、硬直状態の私をどっかに連れて行こうとしたナンパ男トリオの1人の声を遮り、現れたのは――――…


「須、須藤君!?」


なんとあの須藤 克臣君だった。


オレンジ色の髪を風に靡かせ、ニッコリ笑っている。


「女の子イジメは感心しないなぁ。女の子はもっと大事に扱わなきゃ」


「ああ゛!?部外者は引っ込んでなっ!」


彼が両手の掌を上に向けて語ると、金髪男子が須藤君に拳を振り上げた。


た、大変!アレが当たったら、確実に痛いよ!!


私は咄嗟に“避けて”と言おうと、口を開いた。