何よりも甘く切なく

「えーー?だって幸せそうな2人を間近で見てたら、ご利益があるかなと思って」


ニカッと笑うリエイ君に、深いため息で返す泉未。


「とっとと消えないと、お前の彼女に“リエイは浮気してる”とかって吹き込むぞ」


「や、やめろよっ!絶対大きな誤解されんじゃんか!!」


泉未の脅しに勝てなかったリエイ君は、そそくさとどこかに立ち去って行った。


「まったくアイツは……すみません、甘木先輩」


「いいよ別に。リエイ君明るくていい人じゃん。泉未が“空”なら、リエイ君は“大地”って感じがするよ」


爽やかな青空みたいな泉未。