何よりも甘く切なく

次の瞬間、お互いの視線が絡まる。


「1つお願いがあるんですけど………いいですか?」


爽やか君の瞳には、ウェーブの黒髪を2つ結びにした私が、ハッキリと映り込んでいた。


お願い……?爽やか君が私に?


一体何だろう?


「いいけど………なぁに?」


普段先輩なのに頼りないから、爽やか君が私にお願いがあるなら私頑張ろっ!!


首を傾げながら“お願い”を待っていると、その内容は意外なものだった。



「オレの事………“泉未”って名前で呼んでくれませんか?」


…………名前で?


「えっ、えええええっ!?」