何よりも甘く切なく

私と爽やか君は目に入ったベンチに、並んで座る。


「段々冷えて来たねーーー」


広い空を見上げると、スズメが数羽、仲良く一緒に飛んでいった。


「そうですね。なんか焼きイモ食べたくなりますよね、この時期って」


「分かる!甘いサツマイモ、おいしいよねっ!!」


焼きイモのあのホクホク感は、もう堪らない!!


そういう意味で爽やか君に張り切って同意したのに、彼は思いっきり吹き出した。


えっ?な、なぜ!?


「さ、爽やか君?なんで笑ってるの?」


右手で口元を覆って、まだ小さく笑っている爽やか君を覗き込んだ。