何よりも甘く切なく

どうしよう……このままじゃ、絶対にヤバイ事になる。


イヤ…もうなってるかもしれない。


朝、挨拶してくれた甘木先輩を避けた日から、2日。


もうすぐサッカー部の3年生が引退するというのに、オレの心は半分止まっていた。


「オレって、ここまでヘタレだったのか………」


たった一言謝って、また前みたいに楽しく会話すればいい話なのに―――謝る事すら出来てない。


自分のあまりの情けなさに、巨大な岩がガンガンと頭や肩に乗ってきている様な感覚だった。


「水よ……オレのこのどうしようも無さも、洗い流してくれ…………」