案の定須藤先輩はオレの答えを聞くと、目つきを鋭くしてため息をつく。


「なんで?」


「えっ?」


須藤先輩がオレと目線を合わせない様に言った質問に、一瞬目が点になった。


「なんで胡々愛ちゃんと関わり無くなるのが、嫌なの?」


………なんで?


「それは――――…」


なんでと考えると、深く入りくんだ迷路が浮かぶ。


その迷路を一生懸命突き進んで行くと、『なんで』の答えが見えた気がした。


キラキラ光る、宝物。


だけれどオレが須藤先輩にその宝物を明かす事は、無かった。


「……なんででしょうかねぇ」