何よりも甘く切なく

「…………何ですか、須藤先輩」


オレを呼び止めたのは、またしても須藤先輩。


女泣かせ、タラシ、プレイボーイ、チャラ男……この人を表す言葉を挙げさせたら、こんなのしか出てこない。


オレは早く教室に帰りたい気持ちもあって、黒い靄を放ちながら須藤先輩と向かい合った。


「君……さっきまた胡々愛ちゃんと話してたよね?」


「だったら何なんですか?別にオレが甘木先輩と仲良くしようが、須藤先輩には関係ないと思うんですけど」


甘木先輩は須藤先輩の彼女じゃない。


なのになんで須藤先輩がこんなに甘木先輩とオレを気にするワケ?