その男の子は華麗な足捌(あしさば)きで、迎え撃つ他のサッカー部員をどんどん抜かしてゆく。


「行けーーー!」


「絶対止めろぉーーーーっ!!」


恐らく部内でチームを作ってのミニゲームらしくって、味方チームと敵チームの声が入り交じる。


男の子はゴール前まで来ると、思いっきり右足をボールにぶつけた。


――――ザッ!


「おお、決まった!!」


スゴーイ!カッコイイーーー!!


「お前やったな!先制点だ!」


「ハハッ…ありがとうございます」


見事なシュートに感激していると、男の子が皆に褒められていた。