何よりも甘く切なく

リエイの腕を肩から降ろしながら、後ろを見る。


「おっはよう♪」


「!?須藤…先輩!?」


なんとオレを呼び止めたのは、あのナンパヤローで有名な須藤 克臣先輩だった。


珍しくいつも引き連れている女子の取り巻きはいないが、隣にいるリエイの顔が瞬く間に引きつる。


須藤先輩はズボンのポケットに両手を突っ込みながら、オレ達の所に歩んで来た。


「何ですか、須藤先輩……」


オレはこの人苦手だし、何より傍には須藤先輩に彼女にちょっかい出されたリエイがいる。


早く話を終わらせなければと、素早く疑問を投げかけた。