何よりも甘く切なく

不意にある事を思い出したオレは、クルリと踵を返してサッカー部の部室とは違う方向に向かった。


サッカー部が始まるまではまだ時間あるし、急げば大丈夫だろう。


「やってるかな、調理部……」


そう、オレが思い出したのは、甘姫=甘木先輩が調理部だという事。


なんかまた甘木先輩に会いたくなって家庭科室に向かってるんだけど………調理部やってるかな?


「いいニオ~~イ」


「ホント!いいなぁ、調理部」


家庭科室の傍まで来ると、廊下に甘いニオイが漂っていた。


って事は……今日調理部も部活あるんだ。


良かったあって。