何よりも甘く切なく

目の前の親友2人が容赦無く言い放つも、声をかけて来た人はニコニコ笑顔を保ったまま、離れようとしない。


「ヒドイなぁ清華ちゃんと容子ちゃん。だけどそれが2人の良さだよね」


私はバレない様にイスを引き、この何とも軽い口調の人から離れた。


須藤 克臣《すどう かつおみ》……オレンジ色の髪に、両耳に付いたピアス。


彼は学年…イヤ、校内一の遊び人で、女遊びが激しい事で有名。


クラスは私達3人の隣なのにどうしているのか不思議だけど、理由は簡単。


「克臣っ!こっちでお話しようよ!!」


「おお、ちょっと待ってて」