愛すべきストーカー女



彼は、私に近付いて私の隣のベンチに腰掛ける。


なのに、何を言うわけでもなく座っている


学校では話した事はないし

接点だってただ、同じクラスってだけだった


なのになぜ、私を呼んだのか。



でも、今の私にとって
そんな事はどうでもいい

今は誰とも話たくない
1人にしてほしいのだから


そんな願いとは裏腹に彼は話しはじめた


「大切な人ってさ、どうして失ってから

その大事さに気づくんだろうな…」


彼の漏らしたその言葉は
感情を忘れた私の逆鱗にも触れる