「ケヴィン、イーディは?」
「いつもくっついているからたまにはいいじゃん」

 たまには気を利かせて欲しいものだよねと同意見まで求めてくる始末。

「イーディを入れてあげよう」

 ドアに進もうとしたら、腰を掴まれて、そのままベッドへ寝かされた。もがくが思うように動けない。

「させない」
「やめてよ、裏切った上にまだ何かするの?」
「俺、あのときからフローラを手放したくないって強く思ったんだ。だからずっと傍に置いておくから」

 何、自分勝手なことを言っているの!?

「拒否する」
「そんなことさせない。あ!明日、学園祭だから一緒に行こう。決まりね」
「決まりじゃない!」
「イーディも誘ったから。本当は二人きりがいいけど、仕方ないか」

 行くなんて言っていない。あの出来事さえなければ、喜んで行くけれど、どうしてもそういう気になれない。

「仕事は?」
「あるよ。だから少ししか一緒に回れない」

 やっぱり仕事があるんだ。

「何安心としているの?ステラには何もしないよ」
「他の人にもしちゃ駄目なの!」
「どうしたら信じてくれる?」
「信じられなくしたのはケヴィンじゃない!種を蒔いたのは私じゃない!」
「そう、それなら本気で口説き落とすことにする」

 ベッドに押し倒されたまま、ゆっくりと顔が近づいてきた。

「ん!」

 またキスをしてきた!まさか今日、酒でも飲んでいるの!?
 押し返すと、意外にもあっさりと退いてくれた。

「ここまでするなんてどうかしている」
「好きに思えばいいよ。俺は俺のしたいようにするだけ」

 自由に動き回らないでよ!気が気じゃない!
 どうして私はこの人を好きになったのだろう。あんなことをしなければ、ここまで苦しむ必要なんてなかったのに。
 溜息を吐こうとしたとき、ガタンと外で物音がしたので、ドアを開けると、イーディがいた。

「ひょっとしてずっとここにいたの?」
「いいえ、今来たところよ。話は終わった?」
「終わったよ。学園祭、一緒に行こうね」
「もちろんよ。フローラがいなかったらつまらないわ。明日は晴れるといいわね」
「そうね」
「イーディにはそうやって笑うんだね」
「何よ、別にいいじゃない」