『カコーン!』

「おっ、いい音。」

じりじりと焼き付ける太陽。
生クリームの様な雲と真っ青な空。

そして、乾いた空気に響く、
だいすきな硬球を打つバットの音。

そして、私がいる場所は...

グラウンドのフェンスの外...。

あぁ、グラウンドに入って堂々と練習を見れればいいのになぁ…

「おい、水澤ー!!」
ふと、名前を呼ばれ振り返ると、そこには、

「塩谷!おはよー。練習遅刻だぞー!」

私の男友達の塩谷佑がいた。

「また、盗み聞きかよ(笑)いい趣味ちゃうなぁー」

「しょうがないやん、女子禁制やねんもん」

そう、私の高校の野球部は女子禁制なのだ。