シンデレラ・ストーリー






桜の花びらが風に舞っている。




まだ新入生たちは校内でたむろしている。





ぺちゃくちゃ会話をしたり写真を撮ったり。




とにかく新しいスタートに胸を踊らせているのがわかる。






そりゃあそうでしょうよ。





あなたたちは最高のスタートをきれたんだから。





と、いうか普通のスタートを。






「あっはははは!」



「りっちゃん、笑いすぎ!!!」






あたしは隣に座るりっちゃんをギロリと睨んだ。





入学式を終えたあたしとりっちゃんは学校の中庭の桜の木のしたで話していた。






「だ、だって、入学式の日に寝るとか、あ、ありえないでしょ!!!」



顔を真っ赤にしたりっちゃんはお腹を抱えて笑い転げた。





「りっちゃんが起こしてくれないから!」



「いや、寝るのがおかしいよ!まず!緊張感なさすぎ!」



ふははっとまだ笑い続けるりっちゃん。






「緊張感なくなっちゃったんだもん。」




あたしは口を尖らせた。