あたしが彼を見て驚いたのと同時に彼もあたしを見て驚いた。 お互いにお互いの存在を把握できてなかったらしい。 「びっくりしたー。」 彼はあたしにまんまるな目玉を向けながら呟いた。 「ど、どうも。」 あたしはとりあえずペコリとお辞儀した。 「どーも。」 彼もご丁寧にお辞儀を返してくれた。 「あっ入学式!!!」 「そーだ!!!」 あたしらは慌てて教室を出た。