.......あれ?
あたしは閉じていた瞼を開けた。
........嘘。
あたしは誰もいない教室に1人取り残されていた。
やだ!やだやだやだ!!!
嘘でしょ?!
なんで誰も起こしてくれないの?!
視界が涙で霞んでいく。
その目で時計を見た。
9時32分。
もちろん朝の。
確か入学式は9時からだったはず。
あたしは手の甲で涙を拭った。
今までずっと憧れてきた高校生。
こんなとこで泣いてたまるか。
あたしは席を立った。
「えっ?!」
「えっ?!」
な、なに?!
今、なんか声が......
「嘘だろ?! うっわ、最悪!」
だ、誰?!
声のする後ろを振り返った。
「「ぅわっ!?」」
声の主はあたしの斜め後ろの席の男の子だった。

