弱虫の卒業式


「…海斗っ!」

教室から下に降りぼーっと桜の木を見ていた海斗を呼ぶ。

「言えた?」

「うん…言えたよ…」

「そうか…」

嬉しそうに海斗は笑い私の頭を撫でた。

「でもさ…里奈は弱虫じゃないと思うぜ?」

「…なんで?」

「…お前は人より少し不器用で優しすぎるだけだ。」

「…」

「お~いっ!羽島~。写真撮ろうぜ~」

「了解~。すぐ行く~!
…じゃあな。高校でもよろしく。」

そう言うと海斗は友達の所に行ってしまった。

「ありがとうっ…」

涙が溢れて来た。呼吸をするのが辛いくらい。今の《ありがとう》も海斗には届いてないだろう。それでも良い。