川内里奈先輩へ お話があります。卒業式が終わったら3年2組の教室で少しだけ待っていて下さい。お願いします。 原田悠斗 ____・・・ 桜の花も蕾を少しづつ開き始め、生ぬるい風が靴箱の前に立ちすくんでいる私の横を通り抜けていく。 嗚呼、なんて最悪な朝だ。 卒業式の朝。笑顔で登校している生徒たちを横目に私、川内里奈はそんなことを考えながら靴箱の前に立ちすくんでい た。