毎日、学校が終わると、すぐに病室に来てくれる。 ……優しくて、とてもいいやつだ。 でも俺は夏実との思い出を全然覚えてない。 俺がそれを夏実に言っても、夏実は、 『ゆっくり思い出せばいいよ』 そう言ってにっこり微笑む。