俺はドキドキする胸を手で押さえた。 「じゃ、本当にありがとうね!!」 そう言って夏実は走り去っていった。 ……なぁ、このときの俺は、 真剣に夏実に恋してたんだ……。 でも……この恋が……この後、 杏奈を泣かせることになるなんて…… 俺は知るよしもなかったんだ……。