「なあ。」


「ん?何?」


そう言って鈴は顔を上げた。



整った顔立ちに期間限定の伊達メガネ。


勉強の邪魔なのか、髪を耳にかけていた。


それを見て、思わず口をつぐんだ。



「いや…何でもない。」


「何それ。」


鈴はクスリと笑うと、またノートに目を戻した。




ここは俺の家。


あと1週間で期末テストだから、

向かいの家に住んでいる鈴に教えてもらおうと思ったのだった。