あの日から、君は目をつぶったまま。

もう、高校2年生の春。

一緒に生きるって言った翌日。

祐樹は学校に行こうと家を出た瞬間、突然倒れてしまったって。

体がよくなってたわけじゃないのに、無理してたんだね。

私はその辛さに気付けなかった。

君の弱さを見つけられなかった。


私ね、前みたいなことは一度も言ってないよ。

祐樹と約束したから。

毎日、毎日、祐樹が早く目を覚ましますようにって願ってる。

私の誕生日、7月7日の日。

祐樹の代わりだって、サッカー部のみんながお祝いしてくれたの。

修平と梨奈、光哉と颯人、修也兄ちゃんも一緒になって、家でパーティしたんだ。

すごく楽しかったよ。

でも、君がいないと、どこか足りないような気がした。

今年こそは、一緒にお祝いできるかな?


今年も梨奈と修平と、光哉と颯人と一緒のクラスになった。

修平とは双子だけど、学校には話してないから。

後々、面倒なことになるからって修也兄ちゃんが言ってた。

もちろん、祐樹も一緒のクラスだよ?

この前席替えして、私の隣の席だから。

たっくさん、話したいな。


いつになったら学校に来れる?

いつになったら明るい祐樹が見られる?

いつになったら一生懸命サッカーする姿を見られる?

いつまで待てばいい?


私、もう十分待ったと思うんだ。

本当は泣きたいくらい悲しいけど、ずっと待ってるの。

何人もの人に告白された。

それでも全部断った。

私には祐樹がいるから。

祐樹にこのこと話したら、相変わらずモテるなって言うかな。

モテたって嬉しくないよ。

祐樹がいればいいんだから。