「ねぇ祐樹」

「ん?何」

「私、生きれるかな。昔みたいに」

そう言ったら、祐樹はクスッと笑った。

「当たり前」

私も笑った。

この笑顔に何度も支えられた。

私も祐樹を支えてあげないとな。

「2人で盛り上がんなよっ」

祐樹が前のめりになったかと思えば、光哉が覆いかぶさっていた。

その後ろには颯人が立っていた。

「俺より重要な存在だったんじゃねぇの?」

「そんなことはないよ。颯人も十分大切だったから」

颯人と2人で話していると、後ろから抱きつかれた。

「千尋!俺も逃げない。千尋と一緒に生きるっ!」

「私も祐樹と一緒に生きる」

涙が流れた。

祐樹という存在があれば、どんな困難でも乗り越えられる気がする。

祐樹だけじゃなくて、光哉や颯人、梨奈、クラスメイトやサッカー部のみんな。

もちろん、おばあちゃん達や、修也兄ちゃん、修平も。

そして、もういない「お母さん」も。

姿は見えなくても、絶対に支えてくれてるから。

そう、信じてもいいですか?



祐樹に教えてもらったの。

1人としてかけてはいけないって。

いくら、嫌いでも憎くても。

いらない人なんて1人もいないって。

困ったらだれかが助けてくれるから。

1人で悩む必要はないって。



中学校での出会いは、私を助けるためだったの?

祐樹はこうなることを予想してた?

「人との出会いは偶然ではなく、その人にとって必要だからある」

だから祐樹は私と出会ってくれたんだね。

本当にありがとう。