海咲ちゃんはその後、すぐに梨奈の家に行った。

今すぐに謝りたいからって。

私も家に帰ろうかと歩きだした時。

「ちぃ」

優しい声が聞こえた。

「祐樹。今の話聞いてたの」

「あぁ」

祐樹はずっとうつむいている。

「メール回ってるとか知らなかった」

「私もだよ」

それから無言が続く。

弱い風だけど、体にあたると冷たく感じる。