星に願いし恋

「やっと終わったぁ!」

全ての片付けが終わったであろう修平が叫びながらリビングに入って来た。

「おつかれ、修平」

のんきに椅子に座っていた修也兄ちゃんを見て、修平はまた叫ぶ。

「兄貴っ、終わったのかよ!」

「お前が終わる30分前にな」

「終わったなら手伝ってくれたっていいじゃんかー」

誰が手伝うかって目で修平を睨む修也兄ちゃん。

いつもこんな会話してるのかな。

面白いな、この2人。

「あ」

何か気付いた様子の修平。

視線の先には、お母さんの仏壇。

黙ったままの修平が口を開いた。

「母さん、千尋にそっくりだな」

お母さんの写真を手にとってそう言った。

これまでの修平からは考えられない、優しい声で。

その言葉に、私はただ頷く。

「今日から3人だぜ……良かったな!」

修平は明るく言い放った。

「そういえば、千尋の名字はどうするんだ?」

……確かに。

一緒に暮らすことになったけど、名字は変えないといけないのかな。

「いや、大丈夫だろ」

この質問に答えたのは修也兄ちゃん。

自分の担任の先生に相談したら、別にかまわないって言われたんだって。

修也兄ちゃん、ちゃんと考えててくれたんだ。

「とにかく腹減ったよー」

私を視界に入れながら言っている修平。

私に料理を作れってことよね。

ま、とっくに作ってあるけど。

修平のことだから、と思って。

「はい」

テーブルの上に作って置いた料理を運んでくる。

「おおっ」

修平はそう言ってよだれを拭くふりをする。

「超うまそう!」

すぐに席に着く修平。

すでに手を合わせている。

が、そこから何も反応しない。

「俺がいつも言ってるんだ。今日から、千尋も一緒に食べ始めるんだ」

なるほど。

いくら修平でも、ちゃんと守ってたわけね。

私も席に着き手を合わせる。

「それじゃ、今日は初日。千尋と一緒の初めての夕食だから味わって食べろよ?」

この言葉に修平は子供みたいに、はーいと返事する。

「いただきます」

「「いただきます」」

挨拶をすると、修平はすぐに食べ始めた。

準備があって忙しかったから、簡単なカレーライスにした。

「超うまい!絶品だぜ!」

……そんなに言われたら、少し恥ずかしいじゃない。

人の気も知らないで、こいつは何言ってんだか。

「前は、修也兄ちゃんが料理してたの?」

「まぁな。修平は料理できないから」

その瞬間、修平は咳をした。

「俺は出来ないんじゃなくて、兄貴の方が上手いから作らないだけ!」

……やっぱり面白い。