星に願いし恋

部活時間、修也兄ちゃんと修平しか見られなかった。

あの2人と一緒に暮らすって……

本当に家族になれるもんな。

「ちーちゃん?ボーっとしてるわよ」

グラウンドを見つめていた私に瑞季先輩が声をかけてきた。

「いろいろありまして……」

すると先輩は、何か思い出したように手を打った。

「そういえば、修也も修平も深刻な顔してたわね」

兄弟そろって、とつぶやいている。

2人とも……私のことだよね。

私が早く決められないから。

「ちぃ」

休憩に入った皆がベンチに戻ってくる中、祐樹が話しかけてきた。

話があると言われ、ベンチの裏の方に連れて行かれた。

止まったかと思えば、祐樹は近くの木にもたれかかる。

「お前さ……光と付き合ってんの?」

……この情報はどこから流れてきたんだい?

私が光哉なんかと付き合うわけないじゃん。

「そんなことないよ。だいたい、彼氏いないし」

「だってお前……この前屋上で告白してたじゃねぇか」

屋上で私が告白した?

……あー、あの嘘告白か。

「あの時俺、光探しに屋上に行ったらドア越しに2人の声聞こえて。ちぃが告ってて」

「あれは冗談。ちょっとからかっただけだよ」

祐樹ってば……信じてたの?

っていうか、会話聞いてたんだね。

「それマジ?」

「本当」

その瞬間、急にその場に座り込んだ。

そして深いため息をつく。

「マジかと思って、びっくりしたじゃねぇか……」

「あの後、嘘って言ったじゃない」

「驚いて教室に走って戻ったし!」

最後まで話を聞かなかった祐樹が悪いんじゃない。

心の中でそう思いながらも一応謝った。

ついでに1つ質問。

「ねぇ祐樹。私が修也兄ちゃんと修平と住むって言ったら、賛成する?」

「もちろん。ちぃが言うなら俺は賛成するぜ」

この言葉を聞いて、何故か決めてしまった。

一緒に住もうって。

バカだな。

あんなに簡単に決めたくないって言ってたのに。

誰かの同意が欲しかっただけかな?