「修也先輩っ!ちぃを絶対守ってください!」

それはあんたが頼むことじゃないし。

ったく……祐樹ってばお人よし。

「当たり前じゃねぇか。祐樹。お前も頑張れよ」

何のことかはわからないけど。

お母さんはどうして兄妹のことを教えてくれなかったんだろう。

私のためを思ってかな。

まぁ、兄妹を知れたことだし。

「これからは、兄ちゃんって呼べよな」

修平なんか兄貴だしって溜息をつく修也、兄ちゃん。

「修也兄ちゃんって呼ぶん、ですか?」

「敬語なんか使うなよー家族だし」

それから颯人と光哉も加わって一緒に帰った。

「じゃあな、千尋。修平にも伝えとく」

「ありがと、修也兄ちゃん」

恥ずかしながらも兄ちゃんって呼んでみる。

「妹っていいな」

気を使ってくれたんだよね。

私が遠慮しないように。

我ながら、幸せ者だな。

部屋に入ってお母さんに報告。

「お母さん。私、兄妹いたんだね」

本当に、何で教えてくれなかったの?

どうして私だけ、お母さんのもとに置いたの?

お母さんと入れて楽しかったけど、教えてほしかった。

今更こんなこと考えても意味ないけど。

「私って双子なんだね!すごいじゃん!」

シーン

どんなに明るくふるまおうとしても、この家にいるのは私1人だから。

結局は、変わらないのかも……

そんな時、携帯の着信音がなった。

それは修平からのメールだった。

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俺達……双子なんだな

すごいな!男と女って!

明日からも普通に過ごそうぜ

変に意識しても気まずいだけだから

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修平……

気遣ってくれたんだ。

そして、メールの最後にはこう書かれていた。

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梨奈には俺から話すから

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そっか。

梨奈にも言わないといけないね。

「よろしく」とだけ打って返信した。