「俺さ、千尋見てたら苦しくなる」
……苦しくなる?
「私がこんな性格だからですか」
何でだよ、と言いながらもその目は真剣で。
私まで真剣になってしまう。
「昔の自分を見てるみたいでさ」
昔の先輩と、今の私が似てるってことだよね。
「俺ね、親父亡くした」
先輩のお父さんが……。
なんでも、病気で亡くなったらしい。
お父さんを亡くしてからは明るい性格だった先輩が暗い性格になってしまったらしい。
「母親なんて、俺たちが小さいころ親父と離婚してて。居場所なんてわからないし」
……こんな偶然、ある?
心臓がバクバクいってる。
あまりにも同じことが多すぎて。
「修平を守らないといけないから、俺、必死で頑張った。でも……」
先輩は今にも泣きだしそう。
我慢してたんだ、涙を無理やり忘れて。
「俺ってバカだろ?もう、失いたくないんだよ……だから笑顔しか見せなかった」
ほんと、バカですね。
でもそれはお互い様。
「俺、婆ちゃんから聞いたんだけど。昔妹いたらしいんだ」
……え?
「全然覚えてないけど。年的には修平と双子だな」
もしかしたらって。
ここまで偶然が重なってるんだから、考えちゃうじゃん。
『私と修也先輩と兄妹じゃないか』って。
「先輩。知ってるんですよね?その妹の名前」
「……まぁな」
やっぱり……
教えてほしいけど、それを言葉にできない。
聞いてしまえば、全て終わるような気がして……
「本当にびっくりした。でも改めて顔を見たら似てるんだよ。なんとなくだけど」
さっきからずっと無言の私は初めて口を開いた。
止まってちゃダメだって、決めたから。
「名前、教えてください」
一定の距離を保った私と先輩。
「名前は……『千尋』……だよ」
……そうなんだ。
私と修也先輩、修平は……兄妹なんだ。
何故か涙がこぼれた。
「ごめん、千尋。黙ってて……」
修也先輩の声すら聞こえなかった。
1人じゃなかったんだって、そう考えたら嬉しくて。
意外な関係。
こんなことって……
「良かった?それとも残念?」
聞かなくてもわかるでしょ。
「嬉しい……1人じゃなかったんだから」
「俺だって嬉しかったさ。こんな美人が妹なんだから」
思わず笑ってしまう。
これからはお兄ちゃんですね、修也先輩。
心の中で呟いてみる。
すると突然後ろで音がした。
先輩も気づいたらしく、2人とも後ろを振り返る。
そこには、バックを落とした祐樹と、颯人、光哉が立っていた。
「……今の本当ですか」
気付かれたのに何とも思ってないような感じ。
祐樹は迷わず近づいてくる。
そして、私の目の前まで来ると、抱きついてきた。
「良かったじゃねぇか、ちぃ!家族がいて」
……祐樹も喜んでくれるの?
余計に嬉しさが増すじゃない。
……苦しくなる?
「私がこんな性格だからですか」
何でだよ、と言いながらもその目は真剣で。
私まで真剣になってしまう。
「昔の自分を見てるみたいでさ」
昔の先輩と、今の私が似てるってことだよね。
「俺ね、親父亡くした」
先輩のお父さんが……。
なんでも、病気で亡くなったらしい。
お父さんを亡くしてからは明るい性格だった先輩が暗い性格になってしまったらしい。
「母親なんて、俺たちが小さいころ親父と離婚してて。居場所なんてわからないし」
……こんな偶然、ある?
心臓がバクバクいってる。
あまりにも同じことが多すぎて。
「修平を守らないといけないから、俺、必死で頑張った。でも……」
先輩は今にも泣きだしそう。
我慢してたんだ、涙を無理やり忘れて。
「俺ってバカだろ?もう、失いたくないんだよ……だから笑顔しか見せなかった」
ほんと、バカですね。
でもそれはお互い様。
「俺、婆ちゃんから聞いたんだけど。昔妹いたらしいんだ」
……え?
「全然覚えてないけど。年的には修平と双子だな」
もしかしたらって。
ここまで偶然が重なってるんだから、考えちゃうじゃん。
『私と修也先輩と兄妹じゃないか』って。
「先輩。知ってるんですよね?その妹の名前」
「……まぁな」
やっぱり……
教えてほしいけど、それを言葉にできない。
聞いてしまえば、全て終わるような気がして……
「本当にびっくりした。でも改めて顔を見たら似てるんだよ。なんとなくだけど」
さっきからずっと無言の私は初めて口を開いた。
止まってちゃダメだって、決めたから。
「名前、教えてください」
一定の距離を保った私と先輩。
「名前は……『千尋』……だよ」
……そうなんだ。
私と修也先輩、修平は……兄妹なんだ。
何故か涙がこぼれた。
「ごめん、千尋。黙ってて……」
修也先輩の声すら聞こえなかった。
1人じゃなかったんだって、そう考えたら嬉しくて。
意外な関係。
こんなことって……
「良かった?それとも残念?」
聞かなくてもわかるでしょ。
「嬉しい……1人じゃなかったんだから」
「俺だって嬉しかったさ。こんな美人が妹なんだから」
思わず笑ってしまう。
これからはお兄ちゃんですね、修也先輩。
心の中で呟いてみる。
すると突然後ろで音がした。
先輩も気づいたらしく、2人とも後ろを振り返る。
そこには、バックを落とした祐樹と、颯人、光哉が立っていた。
「……今の本当ですか」
気付かれたのに何とも思ってないような感じ。
祐樹は迷わず近づいてくる。
そして、私の目の前まで来ると、抱きついてきた。
「良かったじゃねぇか、ちぃ!家族がいて」
……祐樹も喜んでくれるの?
余計に嬉しさが増すじゃない。