「離して、よ!」

勢いよく祐樹の手を振り払う。

人の言うことも聞かずによくもこんな……

連れてこられたのはサッカーグラウンド。

「え、嫌だった?」

「当たり前じゃない!」

誰が嫌じゃないと言ったのよ。

そう心の中で叫びながらも、祐樹の後をついて行く。

ここまで来たら仕方ないし。

面倒臭いし。

「こんちはー!」

すでに集まっていた先輩達に向かって叫ぶ。

「おー祐樹。やっぱりお前が一番だな」

「は……そーっすか」

また今日もか、とうなだれている祐樹。

私の存在すらも忘れているみたい。

「ん、そこの君、一年だろ?祐樹の彼女______」

「違います」

そこの君って私のことだよね、と考えながら即答する。

違うにきまってるじゃん。

ましてや、彼氏なんて……つくる気ないっての。

目線をあげると、祐樹と目があった。

そしてすぐにそらした。

……祐樹がね。

何で目をそらすのか意味が分からない。

「祐樹と来たってことは……何か用があったの?」

目をキラキラさせながら、先輩が質問してくる。

「いや、祐樹に連れてこられたんですけど……祐樹に聞いてください」

「で、祐樹。何で?」

一斉に祐樹に視線が向けられる。

「えっと……」

そこまで言った祐樹。

つぎの瞬間


『マネージャー希望、でいいかな?』