星に願いし恋

祐樹が抱きしめてると、すごく温かさを感じてお母さんを思い出す。

そのおかげか、涙も止まって来た。

「もう大丈夫か?」

その問いかけにただうなずくだけ。

まだ話せる状態ではなかったから。

「千尋」

私が泣いてる間、一言も話さなかった光哉が口を開いた。

「1人じゃないから。もっと頼れよ!」

「お前の優しさはちゃんと分かってる。誰も嫌ったりなんかしねぇよ」

続いて颯人も言ってくれた。

「ちぃ、俺お前だけは嫌いにならない。約束してやるよ」

約束するじゃなくて、してやるって言ったのは、祐樹らしいかも。

「ありがと……本当にありがとう」

この瞬間、心の頑丈な鍵が解けた気がした。

そして、同時に笑顔になれた。

しまいこんでいた本当の笑顔をつくれた。

「で、祐樹。話って何だったの?」

私が泣いたから、祐樹の話を聞けなかった。

あっという間に7時になっていた。

「もういいよ。ちぃの泣くとこ見れたし」

ニコッと笑う祐樹を見て、不覚にもドキッとしてしまった。

この感情は、まだ信じられないけど。

でもね、祐樹。

あなたの存在が今は一番かもしれない。