星に願いし恋

「ね、ちーちゃん。好きな人いる?」

梨奈の唐突な質問に少し焦ってしまった。

「ううん、いないよ。梨奈は?」

「私はね……いるよ」

少し間をおいてこう言った。

梨奈の好きな人って、祐樹かな?

なんとなくそう思う。

「誰々?」

少し意地悪っぽく聞いてみる。

「えー?言わないとダメ?」

別に言わなくてもいいけど……

心の中ではそう思っても、言葉では違うことを言ってしまった。

「うん」

「……赤石」

え!?修也先輩!?

と、叫んでしまった。

心の中で。

「修也先輩なの?」

「何で先輩になるのよー」

笑われてしまった……

だって赤石って。

「あ、修平か」

そういえば、赤石って……修平もいたんだった。

そう分かった瞬間、私はホッとした。

何でかは分からないけど。

それと同時に、梨奈は顔を赤く染める。

「修平かー、カッコいいもんね」

「ね!わかるでしょ!」

興奮してる。

不覚にも、梨奈が可愛いと思った。

「あ、私ってば……」

「いいじゃん。好きな人のことだもん」

「……そうかな?」

「うん」

なんとなくわかるよ、その気持ち。

颯人を好きなとき、誰にも取られたくなかったもん。

それで、颯人の話聞いたらニコニコして。

梨奈とおんなじ反応してた。