「こんちわー」

祐樹と修平が大きな声であいさつをする。

祐樹ってば、全然テンション変わってないし。

少しムカッとしてしまう。

「おぉ。皆、早かったな」

「綾太も早いじゃねぇか」

「俺はいつもだろ」

そう言って笑ってる。

「お、ちぃ！持ってきた？」

「あ、はい」

『ちぃ』と呼ばれて反応してしまった。

「……ちぃ？」

祐樹が怪訝そうに聞く。

俺が呼び方決めたの、って得意そうに言っている先輩。

「……そうっすか」

それでも機嫌は直ってないみたい。

そんなことも気にせず、綾太先輩は話を進めている。

「よし、完璧！あ、言ってなかったけどもう１人マネ希望がいたんだよ」

おいで、と手招きをされた女子がこっちに来た。

「……白石さん」

「覚えててくれて嬉しい！私、白石梨奈って言います！よろしくね、ちーちゃん」

ニコニコして自己紹介してる。

……明るい子だな。

私とは、正反対の女の子って感じ。

このこと仲良くできるかな？

思わず不安を抱いてしまった。

「梨奈もマネ希望かよ」

「悪い！？」

からかうように修平が言った。

「別に。千尋、もうひいてるし」

急に名前を出され、思わず苦笑。

嘘！と白石さんは驚いてる。

「あ、ちーちゃん！私のことは梨奈でよろしく」

優しく微笑む梨奈を見てたら、こっちまで落ち着ける。