「ふーん」

祐樹が、私のことをね。

それを聞いた時なんとなく嬉しかった。

私のことを心配してくれてるからかな。

自分に言い聞かせた。

「それからたまに、ちーちゃんのこと話してきたの」

私が他の人の話題になってるのか。

意外っていうか、なんていうか……

「その時思ったんだ。祐樹君って……ちーちゃんのこと好きなんじゃないかなって」

……まさかね。

祐樹が私のこと好きなんてあるわけないし。

しかも、祐樹は好きな人いないって言ってたし……

まぁでも、それが本当でも別にどうでもいいけど。

「俺のこと呼んだ?」

肩に手を置かれ、誰かと思い振り向くと。

20センチくらいのところに祐樹の顔があった。

「うぉ!」

「わっ」

2人同時に驚いて、瞬きもせずお互いを見る。

……私、何してんだろう。

海咲ちゃんが祐樹のこと好きって聞いたばっかりじゃん。

本当最悪。

友達の目の前でこんなことして……

「大丈夫?2人とも」

海咲ちゃんが笑いながら2人の間に入る。

それを見て、今かとばかりに目線を海咲ちゃんに移す。

祐樹は海咲ちゃんが入って来たのを見て、斜め下に視線を移す。

「ちーちゃん、席に着こう?」

「あ、うん」

海咲ちゃんに背中を押され、自分の席に着く。

それを見て、祐樹も席に着いたみたいだった。