海咲Side

「初対面くらいの時、少し話したの。なんだかすごい楽しかった」

『黒澤、海咲?』

『あ、はい』

祐樹君に話しかけられたのは、ちーちゃんに話しかけてすぐ後。

その内容はほぼちーちゃんのことだった。

『ちぃ……千尋に話しかけるなんて、良く勇気があるな』

『だっておんなじクラスになったんだし……話しかけても不思議じゃないでしょ』

『あんな冷たくしてんのに?』

まぁ、確かに冷たかったけど……

『それでも私、あの子好きだな』

そして、祐樹君は間をあけてこう言った。

『千尋と仲良くしてくれよ。千尋を頼む』

なんて、ちーちゃんのことを任された。

それがなんとなく嬉しくて、ちーちゃんに相手にしてもらえるまで頑張った。

今では一番の仲良し。

ちーちゃんがそう思ってるのかはわからないけど。