それから、祐樹と話しながらも目は合わせなかった。

学校について玄関で海咲ちゃんと会ったから、祐樹と別れて2人で教室に入った。

「祐樹君と2人で来たの?」

「いや、途中で会ったから」

そっか、と海咲ちゃんは納得している。

「ん?でも、祐樹君って光哉君と颯人君と来てるよね?」

「あぁ、用事あるとかで走って行っちゃった」

あの3人仲良いよねーと笑う海咲ちゃん。

「祐樹君って人気だよね!」

……なんでこんなことを急に言いだすんだろう。

別に関係ないし。

「カッコいいし面白いし、スポーツできるし字綺麗だし。完璧に近いよ」

いや、そんなにないでしょと心の中でつっこむ。

まぁ、少しは認めるけど。

「私、祐樹君好きだなぁ」

……は?

さり気なく放った言葉。

なのに何故か、胸の中に深く残っていた。